手漉き和紙、先週末の成果
2019年 06月 10日
木版画を刷ったり、作品の装丁に使おうと思っています。
楽しみ〜
先週から、京都精華大学の公開講座ガーデン「紙漉き講座」が始まりました。
この日の作業。
まずは雪花染。細かく折りたたんだ和紙に染料を染み込ませて模様を染めつけました。折り方によって模様の大きさや形が違い、あれこれ折り方を工夫しては染め、開いたときの模様を見て歓声をあげたり見せ合ったりと賑やか。次々と折っては染めての模様づくり。面白かったです。
紙漉き体験。
小ぶりの「簾桁」を使って和紙を実際に漉いてみました。
久しぶりの紙漉き。以前のことはほとんど忘れ、初心で臨みました。
よく見る紙漉き作業の映像で、職人さんが手に持ちゆらゆらとゆする木の枠のことを「簾桁」(すけた)と言います。紙の液を乗せるスノコ状の板の部分が「簾」で、周りを囲む枠を「桁」と言います。2つセットで「簾桁」
細かく切った繊維が混じり込んだ原料液を簾桁で汲み上げ、揺すりながら水を濾す「流し漉き」と言う作業を何度も繰り返します。薄い繊維の層が何枚も重なってやっと薄い紙になります。簾が見えなくなるくらい繰り返すと、厚い紙が仕上がります。
桁を外し、簾の上の紙の水気を切って、蒸気で熱した鉄板の上に貼り付けて乾かしました。
一連の作業が飲み込めると、みんな次第にのめり込んで、自分の紙づくりに没頭しました。
職人さんが使うような大きな「簾桁」(紙を漉く四角い枠)も試しに使わせてもらいました。
重たくて、自ら引き上げるのがこんなに大変だとは。
色付けしたパルプを乾燥前の紙にふりかけて模様をつけたり、水を垂らして水紋模様をつけたり。アレンジも面白かった。
あっという間の3時間。
やっぱり紙漉きは楽しいです。
来週は漉き込みをやる予定。何を入れようかな?
[備忘録]
紙の歴史
(発見されている)最古の紙は中国で発掘された麻の紙で、後漢の時代のものとされています。
紙の製法は、蔡倫(さいりん)が確立しました。当時の原料は麻布や麻のボロ、樹皮、漁網などだったようです。
川で麻布を洗濯する際に出た洗濯クズが集まり、石に張り付き日光で乾燥されたものを剥がしたのが紙の始まりとも言われています。その後蔡倫が製造法として確立。それがシルクロードを通って西洋に伝わりました。
それまで粘土板や羊の皮などに文字を記していたのが、紙を使うようになり、軽くて持ち運びしやすくなりました。
紙という言葉の語源にもなっているパピルスが紙の起源と言われていますが、今使われている紙の製法に近いのは、蔡倫が確立した方法です。
パピルスは、パピルスと言う植物の皮を剥ぎ、軸の部分を薄く切って縦横に並べ、石で叩いて圧着させたもの。紙というより布に近いかも。今はエジプトのお土産物として売られているそうです。